私の市議会議員としての在り方について

「市議会の役割」を考えた時、皆さんがまず思い浮かべるものは何でしょうか。
以下は清瀬市のホームページから引用したものです。

 

「市議会は、住民の代表として、清瀬市が快適で住みやすいまちづくりをするため、予算、決算あるいは条例などの案件を審議し、議決するという重要な役割を担っています。その議決にしたがって市長や教育委員会などの執行機関は様々な施策を執行することになります。
そのほかにも、行政事務を監視する機能として、市政に対する一般質問や皆さんから提出された請願・陳情を審議するなどの役割があります。」

 

快適で住みやすいまちづくりの部分に詳細な記載があるかどうかはさておき、どの自治体のホームページにも同じような文言が議会の役割として記載されています。
以上が「市議会の役割」であり、基本的には「市議会の役割」=「市議会議員の役割」となるでしょう。

 

ここで、現状の清瀬市について考えてみます。
今回、2023年4月に行われた統一地方選挙において、清瀬市の投票率は47.57%。市長選挙が無い市議会議員選挙となりましたが、そのことを加味しても決して良い数字とは言えません。
様々な理由により、選挙に行きたくても行けなかった方はいらっしゃると思いますが、2人に1人以上が投票に行っていない状況は改善しなければならない課題だと思っております。
もちろん、これは清瀬市だけの問題ではありませんし、今回の清瀬市の投票率は(これでも)都内では高い方に位置しています。
投票方法の多様化は、投票率を上げるための大きな手段の一つだと思いますが、以前に比べれば期日前投票もしやすくなりましたし、インターネット投票等の解禁にはまだまだ時間がかかるでしょう。

 

地方自治については、日本国憲法の第92条から95条に「地方自治」の章で規定されております。
第92条で定められている地方自治の本旨は、住民自治と団体自治の大きく二つの要素に分けられ、住民自治とは、地方自治が住民の意思に基づいて行われるという民主主義的要素であるとされています。

 

6月29日は、令和5年度第2回定例会の最終日でした。この最終日には議案や意見書・陳情の採決が行われております。
議案とは、「議会の議決の対象となる案件」のことであり、市長・議員・委員会から提出されます。今回の定例会では、市長から提出された議案第25号〜28号、そして議案第31号〜50号が本会議で議決されております。
意見書とは、議会の議決に基づき、議会としての意見や希望を内閣総理大臣・国会・関係行政庁に提出できるもので、今回の定例会では議員から5件提出されました。
また、議会に対して住民から提出されるものに請願・陳情があります。今回の定例会では2件の陳情が提出されております。

 

提案された議案等は本会議に提出され、市議会の議題となります。
この際、提案者が提案理由等を説明し、これを受けて議員が議案に対する質疑を行い、提案者がこれに答えます。
本会議での質疑が終了すると、さらに詳しく審査するため、議案等は所管の常任委員会または議会運営委員会へ付託されます(付託とは、議案の審査の場所を本会議から常任委員会に移すことを意味します)。
清瀬市には建設環境常任委員会、福祉保健常任委員会、総務文教常任委員会の3つの常任委員会があり、定例会の期間中に招集されます。
常任委員会では所管局等からの説明聴取などの審査を行い、審査が終わると採決が行われ、当該常任委員会としての議案に対する態度(原案可決、原案否決、修正可決)が決定します。
ここで決定した各常任委員会での審査結果は審査結果報告書として議長に提出され、再び本会議の議題となり、賛成・反対それぞれの立場から討論(意見表明)を交互に行った後、採決が行われ、可決、否決、修正可決のいずれかに決定します。

 

議決された議案等の結果については、市のホームページに掲載されております。また、年4回発行される「市議会だより」には、それぞれの議案・意見書等に対する賛否が会派ごとに載っております。
しかし、賛否理由についてまでは載っておりません。
自分が投票し当選した議員が、それぞれの議案等に対してなぜ賛成・反対をしたのか知りたい時、その議員のホームページ等で公開されていればわかりますが、そうでない場合は議事録や映像配信を遡って調べるしかありません。
ですが、上で述べたように議案等が、その議員が担っていない委員会に付託された場合、その議員が本会議で賛成・反対討論をしないと賛否理由がわからないことが多々あります。

 

もちろん、各委員会にはそれぞれの会派議員が1名以上は所属している(一人会派は除く)ため、会派の意見を通して個々の議員のの考え方もわかるかとは思います。
しかし、特に意見書や陳情等については、党派の考え方に沿った決議となりがちで、議員個人の意見というよりかは、政党色が強く出ているという印象を受けます。
現に、2019年から2023年3月までの定例会で審議された議案等について、風・立憲・ネットの会派を除いては、会派内で議決の賛否が分かれていたものは意見書1件のみでした。

 

似たような考えを持った議員の集まりが会派なので、それが当たり前と言われればそうかもしれませんが、国政選挙ではなく、その地域の地方自治を担う代表として選ばれている訳ですから、会派を通した意見ではなく、それぞれの議員個人の意見・考え方を知りたいと思う方は多いのではないでしょうか。

 

市議会議員は、直接選挙で選ばれた市民の代表です。
議会の遂行はもちろんですが、私は、「議員活動の周知」に力を注ぎたいと考えております。
活動した内容を周知し、考え方を表明していきます。それが市民の方々の議会への関心に繋がると思っていますし、市民の代表として選ばれた者として、積極的に行っていきたいと考えております。

 

私が入らせていただいている「風・立憲・ネット」には清瀬・生活者ネットワークの党派議員である小西議員と、立憲民主党の党派議員である宮原議員が所属しております。以前は石川議員と城野議員も無所属の党派議員として入っておりました。
党派が違うため、同じ会派でも意見も違えば賛否も分かれます。逆に言えば、賛否が分かれても良いというスタンスだったのが、私が入らせていただいた理由の一つです。

 

意見書または決議は、議会としての意思を国会またはその権限を有する行政機関に提出できる唯一の法的手段です。
意見書一つにしても、様々な法令を学ばないとなりません。専門家でもない、一市議会議員である私ですが、その時できることをやった上で議決に臨み、特に、賛否が分かれた議案等については、ホームページ上で公開していきたいと考えております。
そして、こうした活動が議会を少しでも身近なものにし、今後の投票率が0.1%でも変わっていければ良いなと思っています。