議決日:2023年12月21日
議決結果:【可決】
松本潤:【賛成】 *討論あり
議案第76号は、清瀬市の保有する立科山荘を廃止するために提出された議案です。
長野県にある「清瀬市立科山荘」は、平成10年に竣工されてから築25年が経過しました。
清瀬市公共施設再編計画では、H31(2019)年〜H35(2023)年の間に「今後のあり方を検討」と位置づけられており、利用率の低迷や今後必要になる大規模改修や指定管理の更新時期もあったことから廃止という検討結果になったものです。
立科山荘が建てられた経緯としては、平成8年に行われた「市政世論調査」において、市の施設として市民が望む物として「市の保養施設」という回答が多かったことがあります。
当時は他自治体・企業でも保養所を持っていたところが多くあり、ハコモノ施設を持つことが一種のステータスになっていたことも背景にあったのではと考えます。
しかし、インターネットが急速に普及し、今では誰でも・いつでも、自身で様々な旅行先を選べる時代となり、自治体の保養所は役目を終えるところが増えてきました。
清瀬市立科山荘では、毎年3千万円の指定管理料を一般財源から負担しており、稼働率は25%程度。そして市外の利用者も多く、市民の一般利用は令和4年度では909人。市民の約2%となっておりました。
廃止になるのは致し方ないことだと思います。
しかし、市側が本議案を上程したのは12月定例会。その前の9月定例会中の決算特別委員会の中で、立科山荘の今後について質疑があった際は、「検討中」という旨の答弁がありました。
その後2ヶ月余りの間で廃止と決定されるのは通常では考えにくいことだと思います。9月の時点でほぼ廃止が決定していたのではと、そう捉える方が出るのは当然でしょう。
廃止とするならば、それまでの間に市民ニーズを把握するなどしてから議会に上程して欲しかったというのが私の思いです。
現在清瀬市は人口は伸びつつありますが、今後人口が減少するのは確実で、25年後以内には人口が約5000人減少すると試算されております。
当然その分税収は減るため、未来へツケを残さないためにも、公共施設の再編は前もって取り組まねばならないことです。
本議案については【賛成】の立場から討論を行いました。
以下、討論の要旨です。正確な討論内容は議事録を参照してください。
議案第76号、清瀬市 立科山荘条例を廃止する条例について、賛成の立場から討論をいたします。
近年、自治体の保有する保養所については、清瀬市だけではなく、他自治体でも廃止を決めるところが多く、廃止を決めた主な理由として、「老朽化」「利用率の低下」「改修等に対する多額の費用負担」と、本議案と同様の理由が多く挙げられております。
また、立科山荘竣工から25年が経過しております。その間、民間事業者による宿泊施設の多様化が進んだこと、そして、自分自身で様々な媒体を通じて、全国各地の宿泊施設を調べられる環境になっていることを鑑みると、休息施設として立科山荘を利用される方が減ってきているというのは、残念ですが、時代の潮流なのではと思っております。
立科山荘については、今後、施設改修や建て替え等で15億円以上かかる見込みであること、また、設備なども老朽化による交換改修が必要で、さらに費用がかかる見込みであるという説明が、市側からありました。
令和4年度の清瀬市一般会計歳出決算額が約351億7千7百万円ですので、15億円という数字の占める割合は約4.26%です。この4.26%という数字と、今話題の2025年大阪・関西万博を例に出して考えてみます。大阪・関西万博では、大阪府と大阪市の費用負担の合計金額が約1112億円になる見通しだと直近の報道で示されております。大阪府(3兆7994億6千1百万)と大阪市(1兆9128億2千8百万)の一般会計歳出決算額の合計が、約5兆7122億8千9百万円ですので、1112億円という数字が占める割合は約1.95%。(一時のイベントと公共施設との比較ですので)大変大雑把な比べ方でありますが、大阪府市での万博の費用負担の2倍以上の財政負担が(立科山荘の)大規模改修にはかかるわけです。
公共施設ですので、維持や改修にかかる費用は問題ではないという意見もあるかとは思いますが、令和4年度実績では、立科山荘を利用された清瀬市民の方は、人口75,000人のうち約2%です。限りある財源を、どうやってより多くの市民の方へ還元していくのかということは、常に考えていかなければならないことでもあります。
議員有志が行ったアンケート調査において、「立科山荘を廃止するべきではない」との声が出ていることも承知しておりますが、アンケートの設問に「黒字運営」という、表記があり、「黒字運営なら存続させるべきだ」と、設問に引っ張られるような回答が複数あったのも拝見しております。たしかに、指定管理を依頼している株式会社フードサービスシンワさんは、清瀬市からの指定管理料や、宿泊費等を得て黒字運営ができておりますが、清瀬市が毎年3千万円近い負担をしていることには変わりありません。
毎年かかる指定管理料、大規模改修にかかる費用、市民の方の利用率や、指定管理の更新が来年度末に迫っていることを踏まえると、この時点で廃止という結論に至るのは仕方のないことだと認識しております。
しかし、指定管理の更新時期は前もってわかっていることですから、もっと早い時期から検討をするべきだったのではないでしょうか。立科山荘の在り方についてのアンケート、ないしは市民意識調査というのも、本来であれば市側が率先して行うべきものであり、市としての意見が廃止をする方向でまとまったのであれば、その時点で廃止という考えに至るまでの経緯や理由を市民へ公表し、意見を募るべきだったと考えます。
平成10年に竣工されて25年。立科山荘になる前を含めると、さらに長い年月、市民に親しまれてきた施設でした。利用されてきた方々、また、維持管理に携わってきた方々は市の職員も含め、大勢いらっしゃるかと思います。これらの方々の想いは大切にされるべきであり、例え「廃止」という結果となっても、廃止に至るまでの過程がどうだったのか、関わってきた方々が「立科山荘は役目を終えたんだね」と、納得ができるような終わり方であったのか、最善を尽くすことができたのか、考えていただきたいと思っております。
今後も公共施設の再編はあるかもしれません。その際は、理由と目的、そしてその効果をしっかりと説明していただき、市民の意見を反映できるよう、最大限の努力をしていただきたいということをお願い申し上げ、本議案に対する賛成討論といたします。