議員提出議案第8号 離婚後の共同親権導入の撤回を求める意見書

議決結果:【否決】

 

松本潤:【反対】 *討論あり

 

 離婚後も父と母双方が子どもの親権を持つ共同親権の導入を柱とした改正民法などが2024年5月17日、参議院本会議で可決、成立しました。離婚後の親権に関する民法が77年ぶりに改正され、離婚後の家族の在り方にとって大きな転換点になるとされております。
 厚生労働省がまとめている人口動態統計によると、2022年は17万9,099件の離婚があり、そのうちの52.8%が未成年の子がいる離婚でありました。子が1人なのか2人以上なのか、家庭によって状況は異なりますが、2022年だけで16万1,902人の未成年の子が両親の離婚を経験しております。

 

私は離婚後の共同親権導入に賛成の立場ですので、本議案には反対をいたしました。

 

離婚後の共同親権については、賛成派・反対派の意見が様々ありますので、興味がある方は自身でそれぞれの立場の主張を調べてみることをおすすめします。
私は自身の経験や、衆議院・参議院の法務委員会の内容、そして日本が批准している『子どもの権利条約』を鑑み、離婚後の共同親権導入を賛成の立場から討論を行いました。
また、令和6年6月定例会の一般質問において、離婚後の共同親権について触れております。

 

以下討論内容です。

離婚後の共同親権導入の撤回を求める意見書について、反対の立場から討論をいたします。
 まず、議長の許可を得まして、平成20年に清瀬市議会で可決された意見書を資料として配付させていただきます。討論の中で一部当時の意見書を引用させていただきます。議員提出議案ではございますが、全員配付とさせていただきましたので、お時間があれば市側の方にもご参考までにお読みいただければ幸いです。

 

〔資料配付〕

 

事務局の方には感謝を申し上げます。
 それでは、反対討論をいたします。
 日本は1994年に子どもの権利条約を批准しました。条約の第9条では、締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保し、また、父母の一方または双方から分離されている児童が父母との接触を維持する権利を尊重すると定められております。また、第18条においても、締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するとの原則の認識を確保するために最善の努力を払うと定められております。
 今回の法改正では、婚姻関係の有無にかかわらず、父母が子に対して負う責務、そして親権が子の利益のために交付されなければならないものであることが明確化されました。
 衆議院法務委員会の質疑では、父母の離婚後の子の養育の在り方に関する心理学及び社会学分野などの調査研究報告書について紹介されております。
 報告書によれば、親の別居、離婚を経験した子どもを対象とした心理学分野の複数の研究結果において、DV等がある事案を除き、親子交流が継続して行われている群のほうが親子交流が行われたことがない、または親子交流が中断した群と比べ、自己肯定感が高く、親子関係も良好であることが指摘されていると答弁がありました。
 今定例会の一般質問でも触れましたが、現行制度においては、離婚時の親子交流や養育費の取決め率は60%程度であり、親子交流の履行率は、母子世帯において30%、父子世帯で48%、養育費の受給率は、母子世帯において28%、父子世帯では8%となっております。親子交流の取決めをしていない理由としては、母子世帯では相手と関わりたくないという理由が1位となっており、交渉が煩わしいという理由も合わせると30%を超えております。
 提出された意見書には、現行制度でも共同での養育は可能。また、親子交流や養育費の支払いは親権制度とも直接関係がないと記載がありますが、現行制度においては、別居親と子どもの関係は同居親次第となっているのが現状であり、親子交流が親権者の許可がなければ実現しないのであれば、これは親権問題にほかならないと考えます。
 このような背景があるからこそ、今回の法改正において、子どもの利益のために親としての責任が明確化され、父母が互いに人格を尊重して協力しなければならないことが明記されたからだと私は捉えております。
 合意がない場合にも、裁判所が共同親権を定め得ることが最大の問題ということについてですが、例えば、不貞行為など、明らかに離婚の原因をつくったほうが単独親権を主張し、もう一方が共同親権を主張したらどうなるのでしょうか。こういったケースがある限り、100%の合意は不可能だと考えます。合意がない場合は単独親権としてしまうと、結局子どもの利益については全く考慮されないことになります。必要に応じて裁判所が介入し、判断を委ねるケースもあるでしょう。
 また、親子交流が促進されれば、別居親が子どもの様子を見て異変や虐待に気づく機会が増えることも期待できます。令和4年に児童虐待で検挙された人員のうち、24.7%が再婚相手または交際相手となっております。
 子どもの意見表明権が明記されていないともありますが、親権に関する事件においては、子の意思の把握や考慮することについて、現行の家事事件手続法において既に一定の基準が設けられております。
 さらには、離婚時の親権争いを優位に進めるための子の連れ去りが問題となっている中、仮に子の意思が重要視されるとなれば、今度はいかに自分が有利になるように子に証言させるのか、そういった争いが生じる可能性が危惧されます。
 そもそも子どもに単独親権がいいか、共同親権がいいか、そんなことを選ばせるのでしょうか。私はそれは一番あってはならないことだと思いますし、大切なのは、お父さんとお母さんは離婚することになったが、いつでも会えるし、あなたを大事に思う気持ちは変わらないからねと子どもに伝え、父母が子どもの思いをしっかりと酌み取ることだと考えます。
 この場にいる方はご存じの方も多いかもしれませんが、私は2021年に離婚を経験しております。当時子どもは3歳と5歳でした。父と母、一緒に暮らしてあげられないことは、子どもたちに申し訳なく思いましたし、だからこそ、離婚調停の際、養育費や親子交流について取決めを行いました。離婚後からずっと子どもたちは週末母親のところへ泊まりに行き、好きなときに電話をし、誕生日などは一緒にお祝いをして、できるだけ親子が離婚前と同様な関わり方ができるように努めております。
 私としても、親子交流の時間があることで、土曜日に議員としての公務があった場合でも出席できておりますし、まとめて家事をする時間が持てたり、自分の時間を持つことができたりしております。自身が経験しているからこそ、独り親家庭の大変さが分かりますし、本来DVや虐待がある以外は原則共同親権が望ましい。たとえ父母のどちらかが再婚したとしても、実の親子関係は継続してほしいと考えております。
 日本は長く単独親権制度が続いてきておりますので、こんなにうまくいくわけがないという意見は出るでしょう。また、離婚問題については、当事者になってみないと判断がしにくいこともあると思います。しかし、毎年15万人以上の未成年の子が両親の離婚を経験しております。そして、その半数近くが小学生以下の子どもです。離婚後の共同親権という意識が根づくには大変時間がかかるかもしれませんが、子どものため、そして親の責務の明確化のため、今回の法改正は必要なことだと私は考えております。
 最後に、配付させていただいた資料のとおり、清瀬市議会においては、平成20年の12月議会において、離婚後の親子の面会交流の法制化と支援を求める意見書を可決しております。意見書の最後には、強制力を付与し、実効性のある面会交流が実現するための法整備を要請しますと書かれており、意見書のとおり、強制力を付与し、実効性のある面会交流を行うとするのであれば、今回の法改正のように、父母が子に対して負う責務を明確化することが必要であり、法整備の先にあるのが共同親権の導入であると私は考えます。
 本意見書につきましては、清瀬市議会として平成20年に可決した意見書との整合性が保てなくなる可能性があるということを申し上げ、私の反対討論といたします。

 

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