議決結果:【不採択】
松本潤:【反対】
参考資料:陳情第17号
旧中央図書館の改修、再開を求める陳情
本陳情は令和7年12月議会(澁谷桂司市政時)に提出されたものです。
令和8年3月の市長選挙によって、旧中央図書館を残すべきという方針を掲げていた原田ひろみ氏が当選し、市長となったため、選挙後に生じた課題も一部記述しております。
清瀬市立中央図書館は、蔵書数11万冊を超える、市内で最も規模の大きい、唯一の単独の建物の図書館でした。
令和6年3月議会で可決された改正図書館条例にて廃館が決まり、中央図書館の機能は駅前図書館に移され、旧中央図書館は令和7年3月に役目を終えました。
市内の図書館6館を2館にするという、良くも悪くも大きな話題を生んだ改正図書館条例ですが、『清瀬市公共施設等総合管理計画』を参照しますと、閉鎖された野塩・竹丘・下宿図書館(各地域市民センター内に設置)については、「公共施設再編計画に基づき、地域レベルの施設の学校への集約拠点化に向けて、学校再編の状況を踏まえながら、小学校への統合・施設複合化や予約・貸出機能の設置を進めていきます。」という記述にとどまり、いつ閉館になるという記述はありません。
しかし、旧中央図書館については、「清瀬駅南口地域児童館との複合化により新たに整備します」と明確に閉館について触れられておりました。
南口地域児童館は『まつぼっくる』として令和8年2月にオープンし、『南部図書館』も併設されております。
今現在、旧中央図書館は令和8年10月の中央公園フルオープンに向けて解体工事中であり、跡地は『多目的広場』(公園平面図右)として整備される予定でした。
出典:児童館等複合施設及び中央公園整備に係る設計業務の中間報告会資料
図をご覧いただければわかるように、旧中央図書館は整備中の中央公園に隣接されており、令和6年8月の臨時議会にて「(仮称)南部地域複合施設新築工事及び中央公園整備工事請負契約」が可決されております。
総事業費は税抜価格で26億6,500万円(夢空間にかかる費用約2億2千万も含まれる)。
財政力の乏しい清瀬市にとってはかなり大きな事業であり、2期に分かれていた工事も1期は既に終了しております。
※夢空間の経緯の問題については、議会でも繰り返し取り上げてきましたので、よろしければお読みください。
令和7年3月定例会-1 市民の理解が得られる政策過程を
さて、今後の課題についてです。
旧中央図書館を残すとなった場合、まず第一に考えなければならないのは財源の問題です。
清瀬市の財政力指数(基準財政需要額を分母、基準財政収入額を分子としたもの)は令和6年度で0.658。
この数値は多摩26市中最下位です。
財政力指数が低いのは、基準財政収入額が低く、基準財政需要額が高いことが理由となっております。
基準財政収入額が低いのは、市民税と固定資産税が少ないためであり、基準財政需要額が高いのは、生活保護費、子ども・子育て費、高齢者保健福祉費といったものが26市平均を大きく上回っているためで、人口一人あたりの需要額は多摩26市で1位です。
財政調整基金の積み立て額も多摩26市で最下位であり、一般財源で新たな投資を行う余裕がないのが清瀬市でした。
今後、工事を止めてしまったら違約金が発生しないのか、公園計画に変更が必要ではないのか、旧中央図書館を残して改修するにはどの程度の費用負担が生じるのか、稼働後の図書館機能の維持費がいくらになるのか。と、思いつく限りでもこれだけの懸念がある中、原田市長は地域図書館の再開や出張所の再設置、ゴミ袋の引き下げ等、他にも財源の問題が絡むことを公約としております。
地域図書館については、元々が各地域市民センター内に併設されていたため、再開しようと思えば場所はあります。
閉館後は『子どもの居場所』として再整備が予定されている場所あり、『子どもの居場所』となっても人の配置はおそらくあると思いますので、図書館職員が配置されるのと比べても人件費的には変わらないかもしれません。本の管理については別ですが。
しかし、以前のような本が並び、机と椅子があるだけの静かな図書館を市民が望んでいるのかと思えば、話は違ってくると思います。昔と今では図書館として求められている機能が変わっていると考えます。
原田市長が地域図書館をどのようなかたちで再開したいと考えているのか、財源の裏付けをどうするのか。旧中央図書館についてもどのようなかたちで議会に提示してくるのかまだわかりませんが、私としてはある程度全体を見た上で是か非か、判断していきたいと考えております。
今回の選挙については、やはり令和6年3月の「改正図書館条例」が上程されるまでの経緯が大きく影響したと思います。
図書館廃止については市民に対しての事前説明が欠けていたため、その後市民から多くの請願・陳情が出されました。
特に大きかったのが、令和7年2月の清瀬市立図書館の設置に関する住民投票条例の臨時議会でしょう。
清瀬市の選挙人名簿登録者数63,131人に対して、7,674人分の署名が集まり直接請求がされました。
直接請求に必要な署名数が1,263人であることを考えると、どれだけ大きい数だったかがわかります。
署名された方の中には「図書館を残して欲しい」という方もいれば、「進め方が明らかにおかしい」という方もいました。
住所も記載する誤魔化しのきかない署名であり、署名された方々は、住民投票条例否決後もどのような市政運営がされていたのか、チェックされていたのではないかと思います。
日本の人口減少、特に生産年齢人口の減少を考えれば、公共施設の再編は絶対に必要です。時には計画にないことも行わなければならないこともあるでしょう。
その時にどう市民と向き合い、説明をし、折り合いをつけていくのか。このプロセスが欠けているとどのような結果を生むのか。今回は選挙結果として表れたのだと思います。
話は逸れましたが、私は令和7年12月時点では本陳情に【反対】しております。
以下は反対討論の内容です。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
陳情第17号 旧中央図書館の改修、再開を求める陳情に反対の立場から討論をいたします。
旧中央図書館を残したいという陳情者の皆様の思いは十分に理解をしております。1974年の開館以来、市民の学びや読書文化を支えてきた施設であり、多くの方が思い出や愛着を抱いていることは事実であります。
南部地域複合施設及び中央公園整備事業については、旧中央図書館や中央公園を利用されてきた方々とこれからの時代を担っていく世代の思いをつなげ、利用者ニーズに応じた新たな施設とするために、これまで市民意見交換会や市民ワークショップが開催されてきたものと認識をしております。しかしながら、これらの意見交換会やワークショップが開催されていた当時、図書館再編の問題は出ておりませんでした。
令和4年3月に改定された清瀬市公共施設等総合管理計画において、中央図書館は、清瀬駅南口地域児童館との複合化により新たに整備します。また、地域図書館については、公共施設再編計画に基づき、地域レベルの施設の学校への集約拠点化に向けて、学校再編の状況を踏まえながら、小学校への統合、施設複合化や予約貸出し機能の設置を進めていきますと記載されていただけなのが実情です。
旧中央図書館の南部図書館への機能集約についても、公共施設の延べ床面積を増やさないという前提の下で設計が進められてきましたが、図書館再編の過程で梅園書庫が新設されたことにより、開架図書は減少した一方で、結果として公共施設の延べ床面積は増加している状況にあります。
仮に南部地域複合施設に関する意見交換会やワークショップの段階で、図書館再編について示されていたとすれば、市民から出される意見は大きく変わっていたのではないでしょうか。
市民参画とは、地域ごと、世代ごとなど多様な視点を集約し、対話を重ねながら施策を考えていくことに意義があると考えます。その積み重ねが重要なのであって、前提が崩れてしまうような施策の進め方は避けるべきであり、図書館で言えば、公共施設再編計画という計画がある以上、必要に応じて計画を改定し、その計画に基づいて市政運営が行われるべきであることをここで申し上げておきます。
一方で、本陳情で求めている旧中央図書館を改修し、再開するという点については困難であると言わざるを得ないと考えます。南部地域複合施設につきましては、来年2月のオープンを控え、外から見た限りではありますが、工事は順調に進んでいるものと受け止めております。新しい建物とほぼ同一エリア内に既存の建物を残すことは、維持管理費や人件費が新たに発生しますし、老朽化が進んだ旧中央図書館の改修費も清瀬市の財政状況の中で大きな負担となることは明らかであります。
上程されている一般会計補正予算(第5号)によれば、清瀬市の令和7年度末の財政調整基金の残高は約8億4,000万円となっております。清瀬市は毎年予算編成の際に、財政調整基金を取り崩さないと予算が組めない財政状況でありますので、令和7年度の予算編成の際も、財政調整基金から8億5,000万円を繰り入れております。また、財政の弾力性を示す経常収支比率も令和6年度決算では96.2%であり、予算のほとんどが固定的な支出に充てられ、ほかの事業に使えるお金がほとんどありません。
物価や人件費の高騰が続く中、既存の公共施設は維持していかなければなりませんし、今後は清瀬小学校での新校建設も控えております。清瀬市の財政状況を考えれば、南口側に必要とされてきた児童館の建設に際して、旧中央図書館を複合化していることは合理的だと評価をしますし、建物を改修し、再開をさせることは残念ながら難しいと判断をいたします。
以上で本陳情についての反対討論を終わります。