一般質問 令和7年12月定例会-1:
共同親権に係る対応

一般質問にて、2026年4月から施行される共同親権への準備状況や市内小中学校における別居親の行事参加について問いました。


質問項目 件名 リンク
1. 共同親権に係る対応 (1) 相談窓口について
(2) 別居親の行事参加について
(3) 研修について
→(本ページ)
2. 子どもの体験活動 (1) 体験格差をどう考えるか
(2) 情報アクセスのしやすさ
→記事を読む
3. 「夢空間」クラウドファンディング (1) 第2弾を終えて →記事を読む


◆松本潤
 共同親権に係る対応についてお伺いをいたします。
 昨年5月に、父母が離婚した後も子どもの利益を確保することを目的として、民法等の一部を改正する法律、いわゆる共同親権法が成立、公布がされました。
 昨年6月の定例会で、未成年の子がいる離婚というテーマで一般質問をさせていただきました。今法令の施行は公布から2年以内とされ、来年度早々には運用が始まる見込みでありますので、施行に向けた準備状況やお考えについて改めてご質問させていただきます。
 この改正では大きく五つが見直されております。
 一つ目に、親の責務等に関する規律を新設、二つ目に、親権、監護権に関する規律の見直し、三つ目に、養育費の履行確保に向けた見直し、四つ目に、安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し、五つ目が、養子縁組等の制度を含むその他の見直しです。
 改正に伴い、離婚や親権調整、子どもの就学対応、DV被害の対応など、行政窓口が担うべき相談業務は増加していくと考えられます。市民の方々からの問合せも多様化、複雑化していくことが予想され、今まで以上に各課の連携が必要になると考えますが、この点について本市の見解と、離婚前に共同親権について知りたいという相談が市民からあった場合、対応される窓口はどこになるのか、お伺いをいたします。


 続いて、別居親の行事参加についてお伺いをいたします。
 厚生労働省が今年3月に出した令和5年人口動態統計によると、令和5年に親が離婚した未成年の子は16万1,968人と出ております。学校現場においても、児童・生徒は親の離婚を経験しているケースや、親の離婚問題に直面しているケースは珍しくありません。
 11月が終わり、多くの学校で運動会や学習発表会が終わりました。冬を越せば卒業式、入学式というシーズンになります。また、学校公開など学校行事は年間を通じて様々あり、子どもの成長を確認できる、保護者としては大変重要な機会です。
 しかし残念なことに、子と同居している親が別居している親を排除することを学校側に押しつけて対応させているというケースも全国で発生しております。
 清瀬市においては、別居親の行事参加について現状どのような対応になっているのか。基本的な考えについてお伺いをいたします。


 3点目、研修についてお伺いします。
 これまで日本では長く単独親権が続いてきましたが、今回の法改正により、共同親権という新たな選択肢が導入されます。制度の導入に際しては、対応する行政の職員の方も制度内容の正しい理解と市民の方への適切な案内や支援が求められます。今後に向けて、関係する課の職員や希望される職員に対して、共同親権についての研修等を行っていく必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。


◎渡辺福祉子ども部長
私からは、共同親権に係る対応の相談窓口と研修について答弁をいたします。
 議員からご紹介のありましたとおり、日本では離婚した場合の子どもの親権は父母のどちらかが親権者となる単独親権でした。民法の改正により、来年度中には離婚後も婚姻時同様、父母が親権を持つ共同親権が施行されます。日本ではこれまで当たり前だった単独親権は、世界の国々の中でも珍しいケースで、多くの先進国は既に共同親権を採用しています。そのため、日本で国際結婚をして離婚となった場合、親権をめぐる争いが多く発生しており、国際社会に取り残されないためにも、単独親権制度はそろそろ限界であるという見方もあったのではないかと思われております。
 特に国際離婚における子どもの連れ去りは、これまでも国際社会から問題視されてまいりました。具体的には、日本人の母親が親権を持ち、元配偶者に無断で海外から日本に子どもを連れ帰ることが度々ありました。
 こうした問題を背景に、日本も2014年にハーグ条約を批准し、16歳未満の子どもを無断で居住国外へ連れ去った場合、原則として元の居住国へ返還することが義務づけられるようになりました。
 しかし、2020年7月に開催されました欧州議会本会議において、EU籍の親に対する日本からの子どもの返還の執行率が低いことなどが指摘されるとともに、ハーグ条約の下で子どもの返還が効果的に執行されるために、共同親権を認め、国内法制度を改正するように求められてきておりました。
 共同親権となりますと離婚後も、子どもの監督、保護、養育、また子どもの財産の管理、生命に関わる医療行為なども父母の同意が必要となります。共同親権には、離婚時に親権争いを回避しやすい、離婚後でも両親共に子育てに関われる、養育費の不払いを防ぎやすい、親子交流が実施されやすいといったメリットがあります。
 一方、デメリットといたしましては、DVやモラハラが継続するおそれがあるとされており、実際福祉の現場で度々離婚の相談を受けることがありますが、高い頻度で、養育費は要らないから一刻も早く離婚したいといった訴えを聞くことはあります。この場合やはりDVやモラハラに起因している場合が多く、このような条件下で相手から、共同親権なら離婚してもいいと言われれば、考慮せずに同意してしまうケースもあるのではないかと懸念されます。
 また、子どもの負担が増える可能性がある。これは離婚後、父母が遠方に引っ越した場合の移動の負担が想定されます。教育方針などの決定に時間がかかりやすい、遠方へ引っ越しする制限がされやすいなども挙げられております。そのため、共同親権を選択する父母は、協議離婚でなおかつ比較的円満離婚に至った場合と想定をされます。
 本市における相談窓口といたしましては、男女共同参画センターや子ども家庭支援センター、母子父子自立支援員、市民協働課が行っている市民相談が主に離婚に関わる相談を受ける可能性が高い部署と認識をしております。各署が民法の改正をしっかり把握し、相談の際に適切な助言ができるよう準備をしております。
 また広報といたしましては、本市のホームページ、子育て、子育てに関する補助助成金、ひとり親家庭等に関する補助助成金のページに、共同親権に関する民法の改正から法務省のウェブサイトにリンクを張っております。
 親権をどうするのかは、養育者と子どもの生活に大きく影響を与え左右するものであり、相談を受ける者が法改正の趣旨と相談者の現状をしっかりと把握し、適切なメリット、デメリットを提示できなければならないと認識をしております。
 続きまして研修についてでございますが、おのおのの相談員が自主的に情報収集し勉強をしていることと、こども家庭庁や東京都が実施する研修にも参加をしております。
 具体的には令和7年1月に、母子父子自立支援員現任研修の中で、民法などの一部を改正する法律成立後の養育費、親子交流及び親権という研修に参加をしております。令和7年3月には、全国母子父子自立支援員研修会でも、民法の一部改正について法務省から説明がございました。また、来年1月には、養育費親子交流の相談支援に関する全国研修会に参加をする予定でございます。改正民法の概要を改正民法施行後の手続の運用についてお話を聞く予定となっております。


◎大島教育部参事
私からは、別居親の行事参加についてご答弁をいたします。
 学校では、保護者や地域の方々の行事への参加について、コロナ禍のような場合を除き、特に制限等を設けてはございません。もちろん安全管理の観点から、事前に配付している名札を着用いただいたり、受付を通っていただいたりすることは行っておりますが、その場合も、親権の有無等を確認することはございません。
 そもそも学校や教育委員会は、各家庭の親権や監護権に関する情報を知り得る立場になく、このことは法務省の民事局が作成、公表しているQ&A形式の解説資料、行政手続支援編の中にも明記をされております。そのため、今後もお子様の学校行事に保護者の方がどのように参加されるかは各ご家庭で判断されることになると捉えています。
 なお、もちろん保護者から行事案内の送付先や行事後のお子様の引渡しの仕方などに関してご相談があった場合には、相談の内容に応じて適切に対応してまいります。
 一方で、先ほどご説明したQ&A形式の解説資料には、学校関係という項目が設定されており、そこには清瀬市教育委員会と学校が対応方法を事前に共有していくべき内容も示されております。
 一例としては、就学すべき学校の指定等の事務、いわゆる入学通知書の宛名について、全ての親権者を名宛人とする必要があるかの質問に対して、例えば◯◯の保護者様とするなどの工夫が考えられるが、個別具体的な事情を踏まえて、各教育委員会及び学校において、適切に判断されるべきものであるとの回答が示されております。
 また、就学援助制度について、婚姻中の父母双方が親権者である場合や、離婚後の父母双方を親権者と定めた場合には、支援の認定を受ける際に、父母双方の収入を考慮することとなるかの質問に対しては、就学援助は学校教育法第19条に基づき、親権者に対して市町村が支援する制度であり、支援対象は保護者のうち、生活保護法上の要保護者と市町村教育委員会が要保護者に準ずる程度に困窮していると認める準要保護者となる。就学援助の実施主体は市町村であり、認定基準は各市町村において定められているので、詳しくはお住まいの市町村教育委員会にご相談いただきたいとの回答が示されています。
 つまり、今回の親権、養育費、親子交流などに関する民法等改正に伴う様々な手続等の中でも、先ほど説明したように、清瀬市教育委員会や学校において適切な判断を求められているものが複数あるということです。
 そのため、これらのことは、特に学校の管理職は把握しておく必要があることから、今後も校長会等の機会を通して情報共有を図るなどしながら、令和8年度4月からの施行に向けてしっかりと準備をしてまいります。


◆松本潤
 ありがとうございました。
 それでは再質問をいたします。
 まず、共同親権導入の背景として、他国の状況やハーグ条約の経緯まで含めて丁寧にご説明いただきありがとうございました。
 また、本市として複数の相談窓口で適切な助言などの対応ができるように準備を進められておられること、さらに職員研修についても、国や東京都の研修を受講されておりますし、自身で勉強されているということも分かりました。ありがとうございます。
 ご答弁の中でもありましたが、共同親権は子どもにとって望ましい面がある一方で、DVやモラハラの継続リスク、子どもの移動負担や意思決定の遅れなど、慎重に考えていかなければならない面があることは認識しております。
 親権はあくまでも子どもの利益を最優先して行使されるべきものでありまして、離婚に際して、父母がどのような選択をすれば子どもにとって最善となるのか。それを親の責務として考えること、この法改正の目的はそこだと思っております。
 清瀬市は、養育費確保支援事業の中で、ADRの利用も女性も含めて始めていただいて大変ありがたく思っております。そうした面でも、制度を正しく理解していただけるような取組は今後ますます必要だと考えます。
 ほか自治体の例として、昭島市では、ひとり親家庭や離婚を考えている保護者向けに、親子交流や養育費、共同親権などについて学ぶセミナーが今年度開かれておりました。清瀬市においても、同様のセミナーを開くことはできないでしょうか。見解をお伺いいたします。


◎戸野地域振興部長
共同親権制度に関する市民への周知の方法につきましては、男女共同参画センターや関連する部署との連携を図り、効果的な情報提供の在り方を引き続き検討してまいります。


◆松本潤
 ありがとうございます。ぜひご検討よろしくお願いいたします。
 続いて、別居親の行事参加についてです。
 ご答弁にあったとおり、学校行事の参加についても、こちらも各家庭で判断されるべきことだと思っております。現状でも保護者から特段の相談がない限りは、特例、制限を設けることはなく対応されていることが分かりました。
 しかし今後、共同親権制度が施行されることで、こういった場合はどうしたらいいでしょうかとか、先生はどう思いますかとか、学校に判断を委ねるような相談をされるケースが増えることも想定されます。そうした場合に、教員がどこまで対応するべきなのか、また相談を受けたときにどこへつなげればよいのか、事前に整理しておく必要があると考えます。
 学校には日頃から様々な相談が寄せられていると思いますが、今回の法改正に伴って、これまでとは少し違った内容の相談が学校に寄せられる可能性がありますので、校長先生や管理職だけでなくて、教員全体に対して対応方針であったり、相談体制について改めて周知していく必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。


◎大島教育部参事
現在、学校は組織としての対応を重視しております。そのため、ご質問いただいたような相談が保護者からあった場合には、管理職への報告や連絡、相談を経て対応を協議することになります。
 特に今回のように親権に関わる相談の場合は、教員一人の判断でお答えすることは難しく、管理職への相談があってしかるべきと考えております。ただ事前に保護者から同様の相談があった場合の対応について、教員と共通理解を図っていくことは必要と考えておりますので、今後校長会等で周知を図る際には、その旨も指導していく予定です。
 なお内容によっては、学校だけで判断することが難しい事案もあると思いますので、その際にはもちろん清瀬市教育委員会も一緒に対応を協議してまいります。


◆松本潤
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。