一般質問 令和5年12月定例会-2:
医療介護の連携について

一般質問にて、清瀬市における医療・介護連携の現状と今後の取組、認知症の早期発見や歯科との連携の重要性について問いました。


質問項目 件名 リンク
1. 環境保全のために (1) 不法投棄防止用の防犯カメラの設置について
(2) 不法投棄・破損等への被害届について
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2. 医療介護の連携について (1) メディカルケアステーション(MCS)の利用状況について
(2) アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について
(3) アルツハイマー病と歯周病との関係について
→(本ページ)


◆松本潤
大きな2点目、医療、介護の連携について。
 こちらからは、まず3点ご質問をいたします。
 団塊の世代が後期高齢者となる2025年まで、あと1年と少しとなりました。75歳以上の人口が増えていく中、15歳から64歳までの生産年齢人口は減少を続けており、2050年までには、生産年齢人口が今よりさらに30%近くも減少すると、総務省が試算を出しております。
 そのような中、医療、介護における患者、利用者の方のニーズも変化しております。高齢者のみの世帯が増えるとともに、慢性疾患や複数の疾患を抱える患者の方、医療、介護の複合ニーズを有する患者、利用者の方が増加しており、医療、介護の連携の必要性がますます高まっております。
 清瀬市においては、メディカルケアステーションという医療、介護連携のためのコミュニケーションツールが利用されていると伺っておりますが、現在の利用状況や利用事例、また、今後の展開についてお伺いをいたします。
 続いて、アルツハイマー病治療薬、レカネマブについてご質問をいたします。
 今年の9月25日、レカネマブが厚生労働省に正式に承認されました。レカネマブは、アメリカの製薬会社であるバイオジェンと日本の製薬会社のエーザイ株式会社が共同開発した、アルツハイマー病の新しい治療薬であり、アルツハイマー病発症のきっかけとなる脳内のアミロイドベータを減らす作用が認められたことで、早期アルツハイマー病の進行を抑えることが期待されております。
 アルツハイマー型認知症は、数ある認知症の中でも最も割合が高く、認知症患者の6割から7割を占めております。レカネマブは疾患修飾薬という疾患の原因となっている物質に作用して進行を抑制するという作用があり、現在、主に使用されている認知症の症状改善薬とは異なる点が注目を集めています。
 しかし、投与の対象は、比較的症状の軽い患者に限られるとのことであり、治療薬として使用するのであれば、より一層軽度認知障害、認知症になる前の段階のMCIの段階で発見することが必要です。
 また、レカネマブについても、ただ薬を飲むのではなく、運動や他者とのコミュニケーションの促進など、薬だけに頼らない認知症の改善策を並行して取り入れる必要があると考えます。
 認知症の早期発見、認知症の予防や症状の進行を抑えるための取組の重要性、レカネマブについて、本市としての見解を伺います。
 3点目、アルツハイマー病と歯周病との関係についてです。
 アルツハイマー病の原因の一つとして有力なのが、先ほど名前を挙げたアミロイドベータというたんぱく質であると言われています。アルツハイマー病を抱えている人の脳では、このアミロイドベータが凝集して蓄積することで毒性を持ち、神経細胞を死滅させることで認知機能が低下すると考えられています。
 九州大学の研究において、人で言えば、40代から50代に当たる中年のマウスに歯周病の原因菌を投与した結果、マウスの脳内でアミロイドベータが10倍に増え、記憶力が低下したという研究結果が示されました。認知症には様々な要因がありますが、その一つとして、歯周病が関係していると考えられております。
 アルツハイマー型認知症と歯周病との関係性も踏まえ、医療、介護の連携という面では、より一層、歯科医師との協力も重要になってくるかと思いますが、清瀬市としての見解や医療、介護連携についての取組についてお伺いいたします。


◎矢ヶ崎生涯健幸部長
私からは、医療、介護の連携について3点ご質問いただいておりますので、順次答弁させていただきます。
 最初に、メディカルケアステーション、以下MCSと略させていただきます。について答弁いたします。
 MCSとは、医療、介護専用コミュニケーションアプリでございまして、操作性も優れており、タブレット端末やスマートフォンでSNSのLINEのような使用が可能とされております。
 清瀬市では、令和5年10月1日時点で、人口が7万4,579人で、65歳以上の高齢者が2万791人、人口の約27.9%を高齢者で占めております。
 議員のおっしゃるように、生産年齢人口の減少、高齢化率の上昇などにより、高齢者の単身世帯や高齢者のみ世帯が増加するとともに、医療と介護の両方を必要とする複合的なニーズが高まっており、医療、介護の連携の重要性はますます高まるものと認識しております。
 そのような背景の中、清瀬市医療・介護連携推進協議会で、医療と介護の現場におけるICTを活用した情報共有を検討し、このMCSを活用することが決定し、令和5年3月から運用を開始しております。
 利用状況についてでございますが、利用するに当たりツールのID登録が必要となりますので、その登録状況についてご回答いたしますと、令和5年11月末現在で、居宅介護所が三つ、訪問介護が二つ、薬局が二つ、ヘルパー事業所が一つ、ショートステイ事業所が一つ、デイサービスが一つ、包括支援センターが本市を含めて二つとなっております。
 なお、他市等で利用するために既に登録している事業所につきましては、新たに登録する必要がなく利用可能となっております。
 次に、利用事例についてでございますが、ケアマネジャーから利用したいとの要望がある一方、医療機関は、各医療機関で利用しているシステムもあり、MCSへの登録や管理に負担があるとの課題もあり、現状は利用事例がない状況でございます。
 今後の展開につきましては、情報が集まるケアマネジャーが所属しており、利用要望のある、居宅介護支援事業所を中心に、再度周知を図ることを予定しており、スモールスタートで可能な範囲からICTを活用していきたいと考えております。また、利用期間や利用状況などを確認しつつ利用促進をするとともに、課題などを洗い出していることを目標としております。
 介護関連内での情報連携でも活用できると想定しており、医療機関から提供された情報を連携するなど、医療と介護の情報を連携する仕組みとしてMCSを活用するため、関係者に周知することに努めてまいります。
 次に、レカネマブについてでございますが、厚生労働省に本年9月25日に正式に承認され、アルツハイマー病の進行抑制に効果があるということで注目が集まっていることは認識しております。
 また、エーザイ株式会社のホームページによりますと、日本において、アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制の効能、効果で承認を取得したとの記載がございましたので、認知症の早期発見が重要になってくると認識しております。
 認知症の早期発見は物忘れの増加など、本人や周囲の人が気づき始めたものの、日常生活に大きな影響を及ぼすまでに至っていないことや、年相応のものなのかアルツハイマーなど病的なものなのか判断がつきづらいことなどで、受診につながりにくいなどの懸念事項もございます。
 今後は認知症が早期発見された患者に有効であると、レカネマブが承認されたことで、認知症症状に関する早めの受診について、意識の変化につながる人も出てくることが期待されております。
 なお、レカネマブに関しての本市の見解でございますが、薬剤効果を検証する立場ではございませんので、意見は控えさせていただきます。
 また、本市の認知症の改善策としての取組でございますが、脳トレ元気塾やお喜楽貯筋クラブ、10の筋トレなどで軽運動を行ったり、ヒアリングフレイル予防講座にて耳鼻科への通院など、認知症予防を踏まえた難聴予防を意識してもらうことで、他者とのコミュニケーションを取れる状況を維持してもらうなど、様々な事業を通じて認知症予防に取り組んでおります。
 また、認知症というワードを市民に認識していただくために、本市のホームページなどを通じて、認知症に関して引き続き周知に努めてまいります。
 最後に、アルツハイマー病と歯周病との関係について答弁いたします。
 アルツハイマー病は、アルツハイマー型認知症とも呼ばれるもので、認知症の中で最も割合が高く、全体の70%近くを占めております。脳の神経細胞にアミロイドベータという異常なたんぱく質がたまり、それが神経細胞を破壊し、脳が委縮することで発症いたします。
 先に答弁いたしましたレカネマブは、このアミロイドベータを脳内から除去することでアルツハイマー病の進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせるとされております。
 アミロイドベータが蓄積される原因については、加齢や遺伝が影響するとされているものの、近年、糖尿病や高血圧の人はアルツハイマー型認知症になりやすいことが明らかとなり、予防には生活習慣の改善が重要であることが指摘されました。
 また、ご紹介にありましたように、九州大学の研究で、歯周病もその一因であることが指摘されております。歯周病菌が増加いたしますと、免疫細胞が過剰な攻撃を始め、免疫細胞自体にも炎症が起こります。また、延焼物質が免疫細胞を刺激することによりアミロイドベータが作られます。このアミロイドベータは、その後、血流に乗り脳に取り込まれ、蓄積することにより、アルツハイマー病を引き起こすリスクが高まるという仕組みでございます。
 ちなみに、歯周病によって歯が抜けたり、弱くなったりすることでそしゃく機会が減少し、脳機能が低下することも、アルツハイマー病の原因と考えられております。よって、歯周病予防がアルツハイマー病の予防の一つになるものと考えられます。
 歯周病を防ぐには、歯周病菌に栄養を与えないために、食後のブラッシングを丁寧に行わなければいけません。また、間食を減らすことによって歯の再石灰化を促したり、そしゃく回数を増やすなどし、唾液を分泌させて口内をきれいにしたりすることも大切でございます。
 また、近年の数々の研究から、歯周病によってかむ機能が低下すると肥満になりやすかったり、歯周病の原因菌である歯周病菌が血管に入ると、血糖値をコントロールするインスリンの働きが悪くなり、糖尿病を悪化させたり、逆に肥満や糖尿病の人は、歯周病を発症しやすく、しかも重症化しやすいなど、メタボリックシンドロームと歯周病は相互に影響し合いながらお互いを悪化させることが分かってきております。
 そうしたことから本市では、歯周病予防の取組として、歯科検診と歯科相談を実施しております。歯科検診では、歯科医師会のご協力の下、大きく二つの事業を展開しております。
 まず一つ目は、歯周病や虫歯の早期発見と早期治療の促進及び早期の予防指導を目的に、30歳から70歳までの5歳刻みの市民の方々を対象とした成人歯科検診。
 二つ目が、令和4年度からの開始事業でございますが、口腔機能の低下、フレイルや肺炎などの予防、歯の状態や飲み込みなどの検査などの口腔機能検査を目的として、76、78、80歳の市民を対象とした長寿歯科健診を行っております。
 受診者数は、令和4年度の成人歯科検診の受診者数は911人、長寿歯科健診においては362人となっております。受診者を増やすために、受診券送付の際のご案内に、歯周病予防を含む啓発パンフレットを同封させていただき、周知と受診者アップに取り組んでいるところでございます。
 歯科相談につきましては、国民健康保険加入者、後期高齢者医療制度加入者向けに実施しております、健康測定会において、歯科衛生士による歯科相談を実施しております。令和4年度におきましては、国民健康保険加入者については202人、後期高齢加入者については321人の参加がございました。
 本市といたしましては、全身的な健康は適切な口腔ケアからをテーマに、口腔ケアの重要性をアピールしており、また、清瀬市歯科医師会監修の下、きよせキラリ健口体操のパンフレットを作成するなどしておりますので、今後も歯科医師会と緊密な連携も取りながら、市民の皆様の健康増進に寄与していけるように、様々な取組を実施してまいります。


◆松本潤
医療、介護の連携について再質問と要望をさせていただきます。
 こちらについてもご答弁ありがとうございました。
 まず、メディカルケアステーションの利用条件について、長いので、私もMCSと呼ばせていただきます。
 清瀬市高齢者保健福祉計画、第9期介護保険事業計画策定に向けた事業所へのアンケート調査では、医療と介護の連携を進めていく上で重要だと思うことについてという設問に対して、ICTを活用した連携ネットワークによるタイムリーな情報のやり取りとの回答が最も多く、MCSのようなコミュニケーションツールの需要が高かったとうかがえます。
 ご答弁いただいたように、MCSについては、利用促進と課題の洗い出しが当面の目標になるかと思います。しかし、今取り上げた設問の回答では、事例検討会、研修や交流会を通じた顔の見える関係づくりが医療、介護の連携を進めていく上で重要だと、2番目に結果が高く出ておりました。
 清瀬市における事例検討会や研修、交流会といった取組事例については、どういったものがあるのかお伺いをいたします。


◎矢ヶ崎生涯健幸部長
医療・介護連携推進協議会におきましては、顔の見える関係をつくっていくことを目的として研修会などを開催しております。
 研修、交流会の取組事例についてでございますが、コロナ禍前については、市内の専門職に向けた研修会を医師や看護師、作業療法士が講師となって大規模な会議室などで実施しておりましたが、コロナ禍の影響で集合研修が困難な状況となっており、オンラインで基調講演やグループワーク等を実施している状況でございます。
 研修に参加される医療や介護の方々は、まだまだコロナ禍やインフルエンザの流行などの懸念もあり、感染対策をしっかり取る必要がございますので、今年度につきましてもオンラインでの実施を予定しております。


◆松本潤
分かりました。ありがとうございます。
 ご答弁いただいたように、医療、介護に携わる方々なので、こういった状況では、なかなか一堂に集まってというのは難しいのかなと思います。特に昼間はそれぞれのお仕事の関係で、オンラインのほうが開催しやすいというメリットもあるとは思いますが、オンラインの研修だと、どうしても資料に目が行きがちで、私だけかもしれませんが、参加されている方の顔が覚えにくいというデメリットもあると思います。
 先日、高齢者保健福祉計画、評価策定委員会の傍聴をさせていただきましたが、机が四角く配置されていて、各常任委員会のように参加されている全員の顔が分かる配置となっておりました。本来なら研修会等も、ああいった対面での形で行いたいという気持ちはおありだと思いますので、オンライン開催においても、自己紹介であったり、参加者同士の交流機会を設けたりとか、対面での開催ができない分、工夫をしていただけるようご要望いたします。
 また、MCSについては、まだまだ利用数が少ない状況なので、例えば、訪問介護とデイサービスを利用されている方がいたとして、担当のケアマネジャーが訪問介護サービスの事業所とはMCSでつながっていても、デイサービスとはつながっていないなんてケースもまだあるかと思います。
 また、医療機関の登録がゼロという話ですが、例えば在宅介護サービスの利用者の方がけがをされたとき、医師と訪問介護、訪問看護のスタッフであったり、ケアマネジャー間でMCSを使った連携ができていれば、けがの状態や対応方法等がタイムリーに共有できますし、今の時期ですと、ワクチンを接種した後、次の日、副反応で熱が出ても、原因を疑えるということにもつながります。
 また、今後は在宅でみとりをされる方も確実に増加していくと思います。みとり時の緩和ケアというのは、異業種間での情報のやり取り、連携が必須になりますし、みとりについてはご本人に対するケアだけではなく、そのご家族に対するケアも大変重要になってきます。
 今私がタブレットを頑張って使っているように、ICT機器は得手不得手がありますが、MCSについては、慣れてしまえば非常に有用なツールだと思いますので、業務負担で導入しにくいという面があるのも分かりますが、これだけ医療機関が多い市ですので、研修会等で事例共有などをして、継続して周知に努めていただけるようご要望いたします。
 続いて、アルツハイマー病治療薬、レカネマブについてです。
 レカネマブについては、今月下旬頃に薬価が決まる予想だと、報道が出ておりました。日本ではこれから薬価が決まる予定ですが、アメリカでは今年の1月に薬価が年間2万6,500ドルになったと、エーザイが発表しております。これ日本円、1ドル147円で計算すると約390万円になるんですね。
 日本においては国民皆保険制度がありますから、保険適用されれば、支払い額は負担割に応じた金額となります。ただし年間300万円を超える薬価となれば、高額医療費制度を使ってもなお相当な支払い額となります。これについては、支払う側にもかなりの負担となりますが、支える側にも大きな負担があることから、どこまで効果があるのかと、ネット上では懐疑的な意見も散見されております。
 しかし、ご答弁いただいたように、レカネマブが承認されたことで、認知症症状に関する早めの受診について、意識変化につながる人も出てくれば、早期の段階で発見、対応することができ、薬に頼らないまでも、本市の行う脳トレ元気塾や10の筋トレ等の事業やヒアリングフレイルといった事業で症状がより改善することが期待できます。
 また、薬と、先ほどのような介護予防事業を並行して取り入れることで、アルツハイマー型認知症の進行をさらに遅らせることができれば、将来的には、介護保険制度に大きく頼る期間も短くなるのではと考えております。
 これは実際に処方が始まって、大多数の効果が検証されるまで分からないことなんですが、大事なのは、レカネマブの処方がされた方に対して、薬だけではない、症状の改善のためのアプローチを早期に行えるようなシステムの構築だと思っております。
 先ほどのMCSは、ケアマネジャーであったり、地域包括支援センターであったりと、既に地域包括ケアシステム内の何らかのサービスを利用されている方向けのものだと認識しております。
 例えば、今まで自立されていた方がちょっと最近変だなと病院を受診されて、軽度認知障害と診断が出た。そこで医師からレカネマブも試してみましょうとなったときに、ここで薬の処方だけで終わってしまうのか、それとも居住区の地域包括支援センター等を巻き込んだ対応になるのかで、その後の結果は大きく変わってくると思います。
 軽度の認知障害であれば、要介護1はつかなくても、介護予防・日常生活支援総合事業の対象者になると思いますので、その方の状況に応じて必要な援助が可能になるかと思います。レカネマブが処方され、それでいて、まだ公的なサービスを利用されていない方がいたら、地域包括支援センターにつなげる。これはまた医療介護の連携として今後必要になってくる取組だと思いますので、今後清瀬市としてどう対応していくのかご検討のほどよろしくお願いいたします。
 最後に、アルツハイマー病と歯周病との関係について。
 こちらについても、本当でしたら、受診券送付の際に、歯周病、アルツハイマー病の原因となり得ますみたいな啓発パンフレットも導入していただきたいと思うんですが、まだ研究段階だと思いますので、機を見て検討していただければと思います。