一般質問 令和5年9月定例会-2:
持続可能な介護保険制度に向けて

一般質問にて、持続可能な介護保険制度に向けた人材確保と住宅改修後の原状復帰について清瀬市の見解を問いました。


質問項目 件名 リンク
1. 地域アプリについて (1) 今後の展開について
(2) アプリを利用した地域課題の共有について
→記事を読む
2. 持続可能な介護保険制度に向けて (1) 清瀬市における課題
(2) 介護職員の人材確保について
(3) 住宅改修後の原状復帰について
→(本ページ)


◆松本潤
介護職員の人材確保についてです。
 介護保険制度は、利用者やその家族の安心・安全を守ることはもちろん、働き手についても考える必要があります。現場で働く介護職員、特に24時間の介護施設では夜勤を含むシフトが発生しますし、給与面ではほかの職種に比べると低くなっているのが現状です。
 令和4年10月から、介護職員の賃金水準改善を目的とするため、介護職員等ベースアップ等支援加算が創設されました。こちらについて、アンケート調査内では「介護職員等ベースアップ等支援加算を活用していますか」との設問がありましたが、回答結果では「書類手続が複雑だから」や「日常の業務が忙しいから活用していない」、中には「よく分からないから活用していない」と回答された事業者が複数あり、対象にもかかわらず申請できていない状況もあるのではという印象を受けました。
 アンケート調査は事業所の名前も明記して返送されていると思います。市として、アンケート調査の後追いなどをされているのかどうか、ご質問をいたします。
 また、昨年度から介護職員表彰制度というものを市として行っていると伺っております。こちらについての実績や、制度について出た意見等があればご答弁をお願いいたします。


3点目に、住宅改修後の原状復帰についてご質問をいたします。
 介護保険サービスのうち、実際に身体介護サービスは受けていなくても住宅改修の給付制度を利用されたという方は一定の人数いらっしゃいます。
 清瀬市の課題として、団地が多いというのは毎回のように議会でも話が出ているところだと思います。
 第9期介護保険事業計画策定に向けたアンケート調査は、ほかの自治体でも行われております。近隣の自治体、例えば公立昭和病院の構成市で清瀬市以外の6市のアンケート調査の結果と清瀬市で行われたアンケート調査の結果を比べてみました。私調べになるのと、残念ながら回答の設問がない自治体もありましたが、現在の住居に関する設問について、「公的賃貸住宅に住んでいる」と答えた方の割合は清瀬市が最も高く、低い市と比べると20%以上も差が出ております。
 介護保険を利用した住宅改修の給付制度は、在宅で暮らすご本人だけでなく、介護をする側の助けにもなる大変よい制度です。アンケート調査でも、要介護認定を受けている方が現在抱えている傷病として、脳血管疾患、骨粗鬆症や脊柱管狭窄症等の筋骨格系疾患、関節リウマチ含む膠原病、変形性関節疾患、パーキンソン病などと、運動機能に関する疾患を単純に足すと5割を超えております。アンケートは複数回答可能でしたので一概には言えないですが、アンケートに回答された要介護認定を受けている方のうち、公的賃貸住宅に住まわれている方が29.6%、多くの方が今取り上げたような傷病を抱えているかと思われます。
 しかし、賃貸住宅で住宅改修を行うことになった場合、退去となった際には原状復帰をしなければならないというのが一般的です。原状復帰にかかる費用や、賃貸住宅における住宅改修についての制約があることで住宅改修給付制度を利用するのをためらう、または利用できない方がいらっしゃらないかが心配ですし、そういった方が転倒、骨折してしまい、より介護度が高くなってしまうと、ご本人やご家族の負担はもちろん、将来的な医療・介護給付費の増加にもつながってしまいます。
 例えば、手すりや引き戸等の改修をされた賃貸住宅について、原状復帰をせずに、次に入居された方にそのまま使っていただくということができれば、原状復帰に係る費用負担や住宅改修に係る介護給付費用の抑制、またSDGsの観点からも有効なのではと考えられます。次の入居者がそういった改修が全く必要ないというケースもあるとは思いますが、原状復帰の猶予制度のようなものをまず導入できるとしたら市営住宅からかと思います。このことについて、市としての見解をお伺いいたします。


◎矢ヶ崎生涯健幸部長
私からは、持続可能な介護保険制度についてご質問いただきましたので、順次答弁申し上げます。
 最初に、令和4年11月から12月にかけて実施いたしました清瀬市高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画策定に向けた調査報告における課題についてでございますが、コロナ禍の影響もあり外出の機会が減少していることや、地域活動への参加割合が減少していること、包括支援センターの認知度や総合事業等のサービスなどの認知度が低いということ。また、令和5年6月の議会でも答弁させていただきました認知症の相談窓口について認知度が低いということなどが分かりました。
 包括支援センターや総合事業等のサービスの認知度につきましては、引き続き、ホームページや市報、フレイル予防活動などの場などを通じて広報活動を行い、地域活動への参加を促していきたいと考えております。
 また、アンケート調査結果における住宅事情についてでございますが、持家や共同住宅が60%前後、都営や市営、URなどの公的賃貸は26%前後、民間賃貸が6%前後となっております。
 調査結果から、在宅の生活の継続を求める割合も高いため、家族の介護負担軽減に対して市に力を入れていただきたいという意見も多いことから、家族負担の軽減につながる定期巡回・臨時対応型訪問介護看護のニーズが高まっていると考えております。
 一方、サービス提供に当たり必須である介護人材については、人材不足ということが事業所における課題となっております。
 家族負担の軽減につながる事業所ニーズにつきましては、介護人材の育成・定着が前提となることから、第9期介護保険事業計画の策定に向けて、評価策定委員会の委員の皆様のご意見を伺いながら検討してまいります。
 次に、介護職員の人材確保についてでございますが、介護職員等のベースアップ等支援加算に関する事務のコメントを含めて、個人の方は匿名による投稿、事業所は名称を記入していただいておりますが、今回質問いただいたアンケートに対する後追いでの再確認等は特に行っておりません。
 議員からお話がありました介護職員等ベースアップ等支援加算の申請についてでございますが、申請に関する様式などは国が定めたものを利用していただいております。事業所から申請方法に関して電話や窓口へ問合せがあった場合は、現場が忙しい事業所の負担を軽減できるように対応しております。
 問合せの内容は事業所ごとに異なるため、その都度適切で丁寧な説明を行うようにしております。あわせて、問合せがあった事業所などで書類の提出期限が迫っているような場合は、メールなどで提出を促すなど、申請漏れがないよう配慮しております。引き続き、事業所負担を減らすように丁寧に対応してまいります。
 最後に、介護職員永年勤続表彰についてでございますが、令和4年度より実施しており、11月11日の介護の日に合わせて行いました。
 令和4年度におきましては、20年勤務が2人、10年勤務が5人の計7人の方が市長より表彰され、令和4年12月15日号の市報に写真と記事を掲載いたしました。表彰者や各施設長からは、立派な式典で介護職員への感謝の気持ちが伝わった、表彰してもらったことを職場の職員に伝えることで後輩職員のモチベーションにつながったと感じるなどの声をいただいております。


◎原田都市整備部長
私からは、市営住宅の住宅改修後の原状復帰についてご答弁申し上げます。
 市ではこれまで、介護保険制度を利用して市営住宅の居室の一部を改修したいという相談ならびに申出を受けたことはございません。
 仮に、今後そのような申出があった場合に考えられる対応といたしましては、清瀬市営住宅条例第27条第1項において、入居者は、市営住宅を模様替えし、もしくは増築し、または市営住宅の敷地内に工作物を設置してはならない。ただし、原状回復または撤去が容易である場合において、市長の承認を得たときはこの限りではないと規定されております。
 同条第2項では、入居者が当該市営住宅を明け渡すときは、入居者の費用で原状回復または撤去を行うことを条件とするとございます。
 したがいまして、躯体に影響を及ぼさないような、例えば新たな手すりなどの設置などは可能であると考えておりますが、条例により、退去時には原状回復していただけねばならないのが現状でございます。
 しかしながら、既に市営住宅にも多くの高齢者が入居しており、現在の高齢化社会ならびに本市の高齢化率を考えますと、議員よりご案内いただいているとおり、原状復帰の費用負担や介護給付費の抑制などの観点からも、次の入居者に支障のないものであれば、そのままお使いいただくことが有効であると考えております。
 いずれにいたしましても、現段階ではケース・バイ・ケースで判断をさせていただきたいと考えております。


◆松本潤
持続可能な介護保険制度に向けてについて再質問いたします。
 課題認識の部分、ありがとうございました。認知度の低さや人材不足、清瀬市に限らずどこの自治体でも課題が山積みかと思います。
 コロナ禍での外出機会の減少については、前回の定例会で介護予防・日常生活支援総合事業について伺った際に、徐々にサービス利用される方が回復してきているとご答弁をいただきました。
 ただ、ここ最近、新型コロナウイルスの感染者数が増えていると聞いておりますし、これから冬場に向かうと、まだどうなるか分かりません。バランスが大事かと思うんですが、利用者の方の現在の状態をいかに維持していけるかが介護保険制度の要となりますので、引き続き、広報活動等をよろしくお願いいたします。
 介護職員の人材不足についてですが、本当にどこの事業所でも人材不足が深刻です。その中で、介護職員表彰制度というのは大変よい取組だと感じております。
 仕事をする上で大切となるのは、給与であったり、通勤時間であったり、基本的な環境面も大事かと思うのですが、仕事を続けるモチベーションの維持向上となると他者評価というのが重要であることは皆様も重々承知かと思います。市長、副市長から表彰していただけるなんて、ふだんの生活ではないことだと思いますので、改めてよい取組だと思っております。
 表彰された方、今7人いらっしゃると伺いましたが、選定の方法はどのようにされたのでしょうか。こちらについてご質問をいたします。


◎矢ヶ崎生涯健幸部長
市内にございます指定介護老人福祉施設、これは特別養護老人ホームでございます。と、指定介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設、養護老人ホーム、軽費老人ホームにて勤務している介護職員などで、勤続が通年20年もしくは10年となる者で、各施設長からの推薦を受けた人が対象となり、市で最終決定を行いました。


◆松本潤
ありがとうございます。
 表彰制度については、今年度も取組をされると伺っております。今回は施設系の職員が中心だったようですが、もし今後可能であれば、在宅介護や通所介護、また介護職員のみならず、障害者施設の職員であったり保育士などにも対象を広げていただけたらと思います。こちらについてはご要望いたします。
 ただ、表彰制度というのは、あくまでも長く勤められた方に対しての評価であって、先ほどご答弁いただいたように、後輩職員のモチベーションアップという側面もあるかと思うんですが、離職防止という観点ではまた違ってくるのかなと考えております。
 公益財団法人である介護労働安定センターが行っている介護労働実態調査によると、離職した介護職員のうち3年以内に離職された方の割合は59.9%となっております。ほか自治体では、行政が主体となって、経験がおおむね3年未満の介護職員を対象に交流会などを開いて、不安や悩みを共有することで、スキルアップや離職防止につながるような取組をされているところもありますが、こういった取組については清瀬市としてはいかがでしょうか。ご質問いたします。


◎矢ヶ崎生涯健幸部長
交流会は、介護職員を応援し、介護の仕事への意欲や誇りを持ち続け、また介護の仕事への思いや悩みなどを話し合える仲間づくりの機会としても重要だと思っております。
 人材交流は、会社内や市内だけではなく都内全域におきましても、交流の機会を設けることで、介護職員としての意欲や人脈もでき、介護人材の育成につながることだと考えております。
 東京都社会福祉協議会におきまして会員交流事業を開催しておりますので、より広い範囲での交流を行える機会がございます。このような交流会に関する情報を広報していけるように、情報収集等手段を含め研究させていただきます。


◆松本潤
分かりました。ありがとうございます。
 確かに清瀬市の規模でしたら、市独自のものというよりかは、もう少し広い地域で考えたほうがよいかなと思うんですが、アンケート調査でも、事業所として「介護人材の確保が課題である」と回答された事業所が63.4%、ほかに「人材育成のための時間がない」と回答された事業所が58.5%ありました。こういった生の声というのはとても大切ですので、しっかりとここは受け止めていただけるようよろしくお願いいたします。
 事業所に向けたアンケート調査では、清瀬市に支援・充実してほしいこととして「職員の質の向上のための研修の支援」との回答が34.1%となっておりました。人材育成や質の向上に関する研修というのは、清瀬市としてどのようなことをされていますでしょうか。ご質問をいたします。


◎矢ヶ崎生涯健幸部長
市が行っております研修についてでございますが、はじめの一歩研修で介護人材の裾野を広げ、市内の介護人材の確保を図ることを目的に、中高年者や子育てが一段落した方を対象として、介護未経験者が介護に関する基本的な知識や介護の業務に携わる上で知っておくべき基本的な技術を学ぶ場として実施しております。介護の方法などの講義につきましては、日本社会事業大学にご協力いただいて行っております。
 また、居宅介護支援事業所管理者や主任介護支援専門委員向けに、高齢者虐待発見力・対応力向上研修を行い、在宅での高齢者虐待に関してどのように対応すべきか、事業所内の介護支援専門員にどのように助言すべきか、事例を基に講義やグループワークで理解を深めていただいております。


◆松本潤
分かりました。ありがとうございます。
 日本で最初の福祉専門大学である社会事業大学というのが市内にあるというのは非常に大きな強みであると思います。今後ともぜひ協力し合っていただいて、研修等でのスキルアップはもちろん、研修や講義を通じて顔の見える関係づくりを支援していただければと思います。
 縦横のつながりを強く持っていただくことが有事の際にはとても重要になってきますので、グループワークなんかされる際には自己紹介等されると思うんですが、研修等のタイミングで簡単な交流ができるような計らいもしていただければと思います。要望いたします。
 また、はじめの一歩研修、私も調べたんですが、受講された方については、最終的には事業所とのマッチングに力を入れるとも伺っておりますので、後追いや受講された方の声なんかも拾っていただいて、どんどん次に生かしていただければと思います。こちらについてもご要望いたします。
 あと、最低賃金の改定が10月に行われますので、事業所の利益確保という面では、やはり取れる加算を取得していただくのがよいんですが、人材不足というのは以前から課題となっている中、さらに新型コロナウイルス感染症拡大が起き、やることだけが増えたというのが現在の実情かと思います。
 ですので、先ほどご答弁いただいたように、申請については、丁寧に説明であったり、申告漏れがないか、メールでの後追いであったり、事業所に対する支援というのも継続してよろしくお願いいたします。
 最後に、住宅改修についての原状復帰についてです。
 現時点ではケース・バイ・ケースというところですね。分かりました。
 ただ、2025年には団塊の世代の方が後期高齢者になると言われ、気づけばもう1年とあと少しとなっております。地域の特性、実情に応じた地域包括ケアシステムの構築へ向けた取組というものが現在進められている中、今後、清瀬市でも超高齢化社会に対応しなければなりません。
 そういった中で、やれることから始めてみるというのは大変大事かと思います。基本的に、賃貸住宅の契約で原状復帰の猶予というのは、言ってしまえばトラブルの素になり得ますし、提供する側としては避けたいところだと思います。ですので、住宅供給公社やURではなく、比較的融通の利くと思われる市営住宅からだと私は考えております。
 仮に市営住宅での取組が広まることで、今後それが都営住宅、さらにほかに波及していくなんていうことも考えられますので、ぜひここは柔軟に対応していただければと思います。
 住宅改修については、手すりの取付けや引き戸への改修、スロープの設置などがありますが、清瀬市では実際どのような改修が多いのか、最後、ご質問いたします。


◎矢ヶ崎生涯健幸部長
住宅改修の種類といたしましては、手すりの取付け、段差の解消、滑りの防止など、あと引き戸等への扉取替え、便器の取替えの5種類がございます。令和4年度の実績になりますが、一番多かった改修は手すりの取付けで、特に要介護1の方での利用が多くありました。


◆松本潤
ありがとうございます。
 大体費用が7万円、手すりの取付けが7万円ぐらいとすると、1割負担の方でしたら7,000円前後で取りつけられることになります。
 65歳以上及び要支援1の方へのアンケートの回答でも、今後利用したい福祉保健サービスとして「住宅改修、設備改修費の助成」と答えた方の割合が最も高いという結果も出ておりますとおり、この制度については今後利用される方が多く、介護予防やADLの維持という面でも非常に効果的だと思っております。
 今後、超高齢化社会になるのは分かっておりますが、なってみないと分からない、実際に分からないことも多々出てくると思います。もしかしたら、現在、公的賃貸住宅の3階、4階に住まわれている方が、1階が空いたので移りたいというケースもあるかと思いますので、そういった方、住み慣れた地域で安心・安全にいかに長く暮らしていただけるか、引き続き、そういったことをご検討いただければと思います。